Bristol Beaufighter TF Mk.X ドミニカ共和国空軍
<実機について>
ドミニカ共和国では1948年に10機のTF Mk.Xを導入、シリアル306〜315が与えられます。全機が鼻付き、ドーサルフィン付きのバージョンのようで、着陸灯、翼端灯も小型のものの筈。尤もCutting Edgeデカールに収録されている314号機の図では着陸灯が大型のものになっており、実際にそうだったのか、
作図が適当なのか
は謎。因みに1950年にはシリアルは2401〜2410に変更されています。
49年の内戦時にはモッシーと一緒に出撃して、反政府軍のPBY(そんなもんがあったんですなぁ。)を地上撃破したりもしていますが、50年代にF-47やらF-51やらが大量に入ってくると実数が10機しかないこともあって影が薄くなり、1954年(58年説もあり)には全機が退役してしまいます。もう少し長生きしておけば、ヴェトナム戦争の影響でCOIN機が重視されたり、そうなるとマスタング同様Trans Frolida Aviationに魔改造してもらえたりと、色々と面白いことになっていたのかも知れません。
モッシーがあるからいいや。
でやっぱり終わっていた可能性も高いですが…。
Bristol Beaufighter TF Mk.X
寸法諸元
17.64×12.71×4.83m(W×L×H)
全備重量
11,441kg
主機
Bristol Hercules XVII (公称1,735HP)
最大速度
531.1km/h
初飛行
最大航続距離
2,367km
武装
Hispano Mk.II(20mm)機銃×4、Vickers class K(7.7mm)機銃×1、HAVR×8発
<キットについて>
1996年に最初のVI型が発売になったハセガワのキット。その後Mk.I、TF Mk.X、TT Mk.X、Mk.21等のバリエーションがキット化されています。ただ(恐らくは実機が不人気なこともあって)あまり再生産が掛かることも少なく、特にMk.IやMk.Xは殆ど店頭で見ることが出来ません。一方で最初に発売されたMk.VIは今でも店頭でファーストロットを見かけることもあり、要は
ファーストロットを打ち過ぎた
んではないかと思います。
ボーファイターの特に後期型は何気に無数のバリエーションがあったりするんですが、キットは2種類のプロペラスピナーや大小の着陸灯、イスパノ20mmの有無が選べる機首下面、レドームやドーサルフィンの有無が選べるパーツ構成など、殆ど全てのバリエーションが作れるようになっているのは嬉しいところです。穿った見方をすれば、最近のハセガワ商品が専用ランナーやレジンパーツでちまちまとバリエーション展開するようになったのも、
このキットがあまり売れなかった(←想像)のがいけなかった
のかも知れません。
主翼の上下面で胴体との分割線を変えて接合強度を出していたり、さりげなくタイヤホイールを別バーツにしていたりと、作り易さの面でも良く考えられたキットだと思います。敢えて難を言うならば、コックピットの中身が異様に安っぽいところでしょうか。風防側面に大きな平面部があるためにコックピット内部は事前に想像していたよりもかなり良く見えますから、ちょっと気になるところではあります。
<製 作>
実は過去にもう一機作ったことがあるので、コックピット内部が目立つことは先刻承知。今回はエデュアルドのエッチングで強化してみました。後部銃手席周りも結構細かくなっていますが、こちらは天蓋を付けると殆ど中が見えなくなってしまいます。翼端灯の後半分は小型化してロッドの先端についているタイプなので、そこだけちょっと改造が必要。あとは箱の中のパーツでちゃんと作れます。
デカールはCutting Edge Decalの“Bristol Beaufighter Pt.II”。ドミニカ空軍機の310号機が収録されています。迷彩パターンについてはSAM本で見られる307、308号機の写真に合わせて、デカールのインストの指示とはちょっと変えています。Cutting EdgeのデカールはHs129に貼った時はごく薄い印象があったんですが、このシートは逆にやや固め。結構ソフターとかを使ったはずなのにモールドからはきれいに浮いていたり…。
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