Messerschmitt Bf109G-2 フィンランド空軍機




<実機について>

 太平洋戦線でダメ飛行機呼ばわりされながら、何故か北欧では大活躍の“ブルーステル”を主力に頑張ってきたフィンランド空軍。しかし流石に1943年にもなるとソヴィエト赤軍の新型機の前には見劣りが目立つようになります。部品の供給の関係などで稼動機も相当減っていたのではないでしょうか。

 そこで同盟国ドイツから梃入れとしてBf109Gが投入されたのは1943年3月のこと。まず最初の16機が空輸され、MT-201〜216のナンバーが与えられます。空輸に当たってはフィンランド空軍のパイロットがドイツに渡り、慣熟訓練を受けた上で飛ばしてくる予定だったのが、着いたその日にもう教官が文句の付けようもないほどに乗りこなしてみせ、そのまま持ってきたんだとか。Bf109でそれって結構凄いんじゃ…。尤もその背景には戦局の逼迫があったわけで、持って帰ったBf109G-2は一部はおなじみの緑黒迷彩を施されたものの、多くはオリジナルの塗装のまま国籍標識だけを書き換えて前線に投入されています。

 5月にはMT-217〜230となる14機を取得。その後も1944年7月に至るまでぽつぽつと取得した結果、MT-201〜248の計48機を運用しています。

 作例はフィンランドのトップエース、エイノ・イルマリ・ユーティライネン准尉の乗機でもあったMT-222号機。第2ロットの機体に多く見られる上面RLM74単色の機体です。

Messerschmitt Bf109G-2
寸法諸元9.92×9.02×3.71m(W×L×H) 全備重量
主機DB605A(離昇1,475PS) 最大速度630km/h(6,600m)
初飛行1942.02 最大航続距離
武装MG17(7.92mm)機銃×2、MG151/20(20mm)機銃×1


<キットについて>

 ファインモールドの1/72 Bf109シリーズは長らく決定版不在と言われてきたBf109後期型の穴を埋めるべく、2005年に満を持して発売されたキット。機首周りの何気に複雑なラインやきっつい上半角の表現など、そもそもBf190がどんな形をしているのかよく知らない私でさえ

確かにH社(仮名)のより、ものごっつ恰好ええわ

と思わせるものがあります。些かお値段がお高いのが何ですが、

買いましょう。

ええ。ちょっと注意すべきはバリエーション展開の関係で必ずしも作りたい機体が作れるとは限らず、例えば主翼にコブのついたG-2を作りたければG-4またはG-6のキットを購入する必要がありますし、G-6のキットには大型ラダーやエルラ・ハウベは付いていません。まぁその辺りはこれからのシリーズ展開(あるのか?)に期待したいところです。


<製 作>

 そんなわけで、良キットなのを幸いに基本は素組。コックピットはどうせ見えないのでシートベルトのみの追加。またラジエータのインテイクの仕切り板とオイルクーラーインテイクの支柱を追加しています。キットの合いは恐ろしく正確で、ちゃんと組めばカウリングの微妙な段差まできっちり出ますが、それだけにパーツの縁が斜めになっていたり、バリが多かったりとかするのはちょっと残念。でもまぁ慎重かつ丁寧に処理してやれば何とかなります。

で、塗装なんですが、Inscale72製デカールのインストには上面RLM74一色と大変頼もしいことが書いてあり、この通りならちょろいもんなんですが、実際に写真を見るとオーバーペイントが薄くて前の迷彩が相当に透けている…というか透けまくっています。というかキャプションがなければ単色じゃなくて普通の迷彩にしか見えないかも。

 仕方ないので、(実は今まで一度もやったことがない)斑点迷彩の練習を兼ねてまずルフトヴァッフェ制式のRLM74/75/76迷彩を一度塗ったあと、上から薄めたRLM74を吹きました。鉄十字もデカールだと上塗りした時に段差が目立ちそうだったので型紙を作って吹いています。初めての斑点迷彩は予想通り

良く言って、それなり

 でしたが、よく判らなくなるまでRLM74を上から掛けて誤魔化してみました。おかげでちょっとRLM74が濃くなりすぎてしまった気もしますが、それはそれ…。

 デカールは上記の通りInscale72のBf109 G-2用。最近改訂新版が出たようですが、これは初期のもの。というか同社の記念すべき第一作だったりします。そんなわけで質もそれなりだったりするわけなんですが…。


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