Grumman F6F-5 Hellcat フランス海軍航空隊




<実機について>

 WWIIで華々しかった超弩級戦艦の時代も終わり、これからは空母こそが海上の花形。心機一転出直しのMarine Nationaleことおフランス海軍も、

空母とは名ばかりの航空機買い付け運送艦

とか

水上機母艦に満載した水上雷撃機で水雷襲撃大作戦

とかいった過去はとりあえづ忘れることにして、イギリスから軽空母コロッサスを購入*1)。アローマンシュと名づけてここに新生フランス海軍母艦航空隊の再スタートが切られたのでした。というかまぁ、

もともと最初のスタートも切ってなかったようなもんですが。


 当然最初は装備も頂き物。装備はF6FやらSBDやらSB2CやらTBMやらSeafireやら…要は合衆国海軍と英国海軍を足して十で割ったような編成だったんですが、その後のFireflyやFireblandといった腑抜けたイギリス製品に手を出さなかったのは流石。以後はF4U-7やF8Fなどアメリカ機に絞りつつ国産化へのシフトを睨んでいく展開になります。結局艦上戦闘機についてはラファールが艦載できるようになるまでお預けなんですが、まぁそこはそれ。

 当初F6Fを装備したのはFlottela 1(以下1F)、12Fなど。インドシナ戦争直前にF4U-7への機種転換が始まり、12Fも1953年にはF4U-7を受領していることになっているんですが、F4U-7用に編成された14Fからして装備が間にあわずにインドシナでお古のAU-1を受領しているくらいですから、書類の上では改編されている筈の1Fや12Fも結局はF6F-5でインドシナ戦争に参加しているようです。フランス海軍のF6Fは、母艦航空隊がF4Uになった後も陸上基地所属の53Fなどで長く使われ、合衆国海軍からとっくに姿を消した後も地味に働き続けましたのでした。

*1)厳密に言うと、1946年の時点では英国海軍より貸与、その後1951年に貸与期限が切れたのに伴って購入しています。


Grumman F6F-5 HELLCAT
寸法諸元13.06×10.24×4.11m(W×L×H) 自重4,152kg
主機P&W R-2800-10W "Double Wasp" (2,000HP) 最大速度612km/h (alt. 7,100m)
初飛行 最大航続距離2,500km
武装Browning M2 cal.50(12.7mm)機銃×6、爆装1,000lb


<キットについて>

 あまり人気が無いとは言え、ヘルキャットと言えば超メジャー機。1/72のキットだけとっても

古くて凸モールドのハセガワ

とか

大味で翼後縁が泣きたくなるほど分厚いアカデミー

とか

最新の癖に微妙に評判の悪いイタレリ

と選り取りみどりでございます。今回はアカデミーのキットを使用しました。上に上げた欠点に加え、胴体とカウリング上面がうまく繋がってくれないのがかなり気になります。キットは一応F6F-3とF6F-5のコンパチとなっていますが、主翼上面のモールドはもろ-3なので-5にするには彫り直しが必要。胴体を輪切りにするモールドがF6Fの特徴だと思っているので凸モールドのハセガワは避けて通ったんですが、そっちのほうが楽だったかも…。


<製 作>

 コックピットにAIRESのレジンパーツを使用。機体との合いも良好ですし、F6F-3とF6F-5で異なる主計器板もちゃんと2種類入っています。勿論キャノピーを閉めると全く見えないわけですが、

大事なのは心意気

です。というか、折角キャノピーが分割になるんだから開ければ良かったのか。

 主翼上面のモールドは一旦埋めて世傑を見ながら彫り直し。あと各翼の後縁はひたすら削りこみ。これで結構見栄えがするようになります。胴体とうまくつながらないカウリングは湯曲げしようとして崩御させてしまったので、結局ハセガワのキットからパチって来ました。結果エンジン、ペラ等もハセガワ製です。多少強引に付けたとは言え、何故こちらのほうが胴体上面と面イチに決まるのやら…。某所で聞くならく、アカデミーのキットはプロペラハブが長すぎで違和感があるんだそうで、結局カウル周りを総取っ替えして結果オーライというところ。

それでいいのか?アカデミー。

 塗装はクレオスの特色グロスシーブルー(365)単色。垂直安定板のフィンフラッシュのみ塗装で他のマーキングはデカールを使っています。フィンフラッシュの色はまんまホワイト(1)、モンツァレッド、もう自分でもレシピを覚えていない水色。使用したデカールはModel Art DecalのHELLCAT and SEAHAWKという

なんでそんな組み合わせかさっぱりわからない*1)

デカールセット。透明ニス部がえらく大きくてそのまま貼るのは抵抗がありますが、実は縁のところが薄くなっていて意外に透明部が目立たないと言う割といけてるデカールでした。白の透けが大きいのが欠点と言えば欠点か。

*1)そんなわけで、FAAのシーホークを作られる方でご入用の方がいらっしゃいましたらご一報ください。



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