川崎 キ48II 九九式双発軽爆撃機II型

1/72 ハセガワ


<実機について>

 九三式シリーズで重爆、双発軽爆、単発軽爆を一気に更新した帝国陸軍。流石に同じことをやるのは財布がきつかったのか、はたまた軽爆は一機種で良いと思ったのか97式では重爆と単軽の更新となります。それでもやっぱり双軽が欲しくなったのは、重爆を作りまくる金などないことに気がついたのか、やがて欧州戦線で明らかになる単軽の生存性の限界に気付いていたのか、はたまた単に

ウチにもSBみたいなんが欲しいっ!

と思っただけなのか、微妙なところ。まぁ流行に乗っかるまでもなく爆撃機の高速化には異様な情熱を傾ける帝国陸軍のことですから、キ30やキ32では元々満足していなかった面もあるんでしょう。

 中国戦線でデビューした本機は最初の頃こそ高速性能を活かして活躍したとか言われていますが、その頃はもうAVGのP-40Bなんかが跳梁していることを思うと何処まで活躍できたのやら…。太平洋戦争勃発後も稼動性の良さや小さい飛行場でも運用できることなどが受けて活躍しますが、一方で搭載量の少なさや敵機に補足された時の生存性の低さなどが問題になっていくのもやっぱり現実。そして後継機が現れずに延々と使われ続けて損耗していくのもお約束ではあります。


川崎 キ48 九九式双発軽爆撃機II型
寸法諸元17.47×12.88×3.80m(W×L×H) 全備重量6,750kg
主機中島ハ115 (公称1,100HP)×2 最大速度505km/h(高度5,600m)
初飛行昭和14年7月 最大航続距離2,400km
武装7.7mm×4挺


<キットについて>

 ハセガワの九九双軽はB5Nやキ51なんかと同様、亡きマニア社から金型を引き継いだ製品で、相応に年季の入ったキットではある筈なんですが、形の捉え方、気合の入った細部表現など30年以上も前に発売になったとは思えないほどの好キットです。  元々はI型のキットだったんですが、滑油冷却器とキャブのインテイクの位置を入れ替えるとほぼII型になることからII型のデカールが入ったバリエーションも幾つか発売されています。できればダイブブレーキのついたII型後期なんかも出ると嬉しいんですが…。


<製 作>

 元々内部の表現にもかなり気合の入ったキットではあるんですが、まぁ窓も多くて中が良く見えるだろうということで、今回はエデュアルドのエッチングなど奢ってみました。透明部品が結構厚いために組んでみると結構ディティールは見えなかったりもするんですが、まぁ後部銃座周りとかは結構感じが変わる気もします。

 塗装は昭和18年の鉾田飛行学校の機体。灰緑色はクレオスの陸軍機下面色(C128)を全面に吹いた後、褪色なんかも意識してRLM02を白で延ばした明るめのグレイを真上から吹いています。とにかく大変な透明部のマスキングはエデュアルドの紙テープタイプのマスク材を使用。やたらフィルムが硬くて曲面から浮いてくる昔のマスク材と異なり、柔軟性が高くちゃんと使えるものになっています。というかもう最近はこんなのでも使わないと日本の爆撃機なんて作ってられないと言う話も。



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