Hawker Hurricane Mk.IIb/Trop 自由フランス空軍


<実機について>

 主機をマーリンXXに換装したMk.IIのうち、Mk.IIbはそれまで8挺だった主翼の7.7mm銃を一気に12挺にまで増やす一方、主翼下面に爆装が可能になり一名ハリボマーとも呼ばれる型です。(厳密に言うと主翼の強化がなされるのはIIa型の後期からですが。)この辺りから戦闘機としては些か旧式であるとの自覚の元、対地攻撃任務でご飯を食べていこうという意向が明確になってくるんですな。

 自由フランス軍のハリケーンに付いては…よく判りません。マーキングは"modeler's datafile 2 The HAWKER HURRICANE"によると、両主翼はRAFのラウンデルで、胴体両側のラウンデルは中心の赤丸の代わりにロレーヌ十字が入るとのことですが、主翼にフレンチスタイルのラウンデルを描き、胴体は縁無しのロレーヌ十字の機体もあります。更にハリケーン以外では主翼もロレーヌ十字のもの、主翼にRAFのラウンデルとロレーヌ十字の並んでいるもの、もう色々です。

とりあえず鉄十字との見分けが付けばいいや

くらいの感覚だったんでしょうか。


<製作&塗粧>

 例によってハセガワ1/72。最前のMk.IIcとは主翼パーツの差し替えでMk.IIbを再現しています。これもちゃんとMk.IIbになりますが、外翼の7.7mm銃の装備に注意が必要です。 如何にデカールの台とはいえ、毎回全くの素組みというのも飽きるので、いくつか気になる点を修正してみました。まず、ハセガワ1/72のハリケーン全てについて、後部胴体の羽布張り部との境界が上から下まで一直線になっています。ここは若干気になったので羽布張り表現を少し埋めてパネルラインを引きなおしました。まぁ省略の範囲なのかも知れませんが、羽布張り表現の上にアクセスパネルのモールドが彫ってあるのはなんとなくメーカーの姿勢と言うか、

この機体に対する愛情を疑ってしまう

ところではあります。(因みにアカデミーのMk.IIcもやっぱり同じことをやっていますが、モールドを追加して誤魔化そうと言う意図は見せています。ならいいやってもんでもないですが。)

   また、外翼の7.7mm銃は真鍮パイプで作り直しました。インストではちゃんと指示されていませんが、内側と外側で高さが違う(外側が最前縁で、内側がやや上の位置)ので要注意です。

他は完全に素組で作っていますが、Mk.IIc/Trop同様にトロピカルフィルタと機体の間で割と大きな隙間が出来るのと、外翼の7.7mm機銃孔付近がヒケているのを修正する必要があります。

 塗粧はAeromaster DecalのForeign Hurricanesの中にあった自由フランス軍の機体です。基本塗装はRAFの上面ダークアース/ダークグリーン、下面エイザーブルーなので、グンゼ産業からでた「WWII英空軍迷彩色セット」の特色をそのまま使いました。因みに「WWII英空軍迷彩色セット」のダークアース(369)はグンゼの22番とはかなり色調が違います…いいのか?この機体はフィンフラッシュと後部胴体の一部をミドルストーンでオーヴァーペイントしているのが特徴ですが、フィンフラッシュは塗りつぶしとしても後部胴体のペイントは何をしたいのかよく判りません。国籍標識にしても部隊コードにしてもこれでは消えないと思うのですが...。

 マーキングは上記の通り主翼がRAFのラウンデルで、胴体両側はRAF的ラウンデルの中にロレーヌ十字が入ります。尾翼はForeign Hurricanesの指示によるとラダーをRAFカラーの青白赤(前方よりこの順:フランス戦役時とのものとは逆です。)に塗り分けることになっていますが、手持ちの"modeler's datafile 2 The HAWKER HURRICANE"ではFrench style of Tricolour was applied to the rudder, although the order was in the RAF style (i.e.red at the front)となっています。英文の解釈に迷いましたが、折角フィンフラッシュを塗りつぶしてまで書き換えているのだから、よりフランスっぽいのにするのではないかなということで、フレンチカラーで順番の方を赤が先頭のRAFスタイルにしてみました。いざやってみると

違和感ありまくり

です。やっぱり嘘だったかも。

 例によって上下面の境はマスキングテープをべた張りし、上面の迷彩をエアブラシのフリーハンドで仕上げています。特別なことはしてませんが、デカールがやたら糊が弱くて大変でした。木工用ボンド必須です。


世界のハリケーンインデックスに戻る
トップページに戻る