Hawker Sea Hurricane Mk.IIb 英国海軍




<実機について>

 航空母艦開発の先駆けでもあり、カタパルト、装甲飛行甲板、エンクローズドバウなど各種の新技術を世界に先駆けて投入してきた大英帝国海軍ですが、肝心の艦載機の開発には紆余曲折が大きく、開戦時にも複葉のシーグラジエーターや複座のフルマーやらが艦上戦闘機として搭載されていました。幾ら大西洋方面では空母同士のガチンコがあるわけでもないとは言え、流石に如何なものかという声から当時主力戦闘機たるハリケーンが艦上機に改造されることになります。

 最初に作られたシーハリケーンMk.Iはカタパルトから射出して空戦後は着水遺棄、パイロットのみ救出するという大胆なものでしたが、後に着艦フックを装備した航空母艦搭載型が作られます。視界が悪く地上滑走性能の悪いシーファイアよりも寧ろ好評だったようで、マートレットやヘルキャットの採用後も使用されています。

 作例の機体は1942年11月のトーチ作戦に参加した機体で、米軍との初めての大規模な共同作戦であることから、米軍との隣接戦区を担当した空母フューリアスの艦載機には米軍式の国籍標識が施されました。他にシーファイア、アルバコアなどがこのマークを付けて同作戦に参加しています。


<製作&塗粧>

 たまには気分を変えてレベルのハリケーンを製作。Mk.IIbとSea Hurricane Mk.IIcの二種類のバリエーションが発売されており、今回は2個イチでSea Hurricane Mk.IIbにしてみました。2個イチと言っても余ったパーツでMk.IIcもちゃんと作れます。キットそのものの評価はキット評のほうに書きましたが、なかなかいい感じでトロピカルフィルタ無しのMk.IIではハセガワを制してこちらがスタンダードになっても良さげな雰囲気。尤もBattle of Britainの死闘を戦い抜いたI型への発展が期待できないのは惜しまれるところです。

やっぱり商売下手なのでは…。

 ぱっと見で一番問題になるのは機銃孔で、内翼の4挺は7.7mmにしては幾らなんでも孔が大きすぎる気がしますし、外翼の2挺に至っては

上向きに開いてます。

なまじ位置は正しいだけに悲しみも倍増です。埋めて開け直すしかありません。外翼の銃身も付いていないので、真鍮パイプで自作です。主翼下面が3分割になっていますが、これもそのままでは巧いこと面一になってくれません。主翼上面と外翼下面を接着した上で、主翼下面が面一になるように(必要に応じてシムを挟むなどして)注意して接着する必要があります。

 塗装はFAA標準の上面エクストラダークシーグレー+ダークスレートグレー、下面スカイです。エクストラダークシーグレーとスカイはGSIクレオスの特色そのまま、ダークスレートグレーはインストのレシピに従ってオリーブドラブ2(38)とフィールドグレー(40)を1:1で混色しています。色合い的にはちょっと暗いかなというくらいなのですが、元色がどちらも艶消しなので後でデカールが貼り難いのが困り物。艶or半艶の塗料でのレシピも開発しておきたいところです。

 マーキングは、インストでは6箇所に国籍標識がありますが、別資料では米軍式に主翼上面は左翼、下面は右翼のみにあったことになっているので、そちらに従ってみました。迷彩の2色目を塗る前に、右翼上面の国籍標識、尾翼のフィンフラッシュの部分をマスキングして、そこにあった標識を塗りつぶした演出をして見ました。後から気付いたのですが、後部胴体のスカイの帯も塗りつぶしている筈ですね。デカールはハセガワMk.IIb“イーグル・スコードロン”についてきたエアロマスターのものですが、やはり糊が弱く最終的には木工用ボンドを1:1くらいに薄めたものを多用しています。それでもハセガワのキットに比べれば、胴体の凹凸が少ない分かなり楽ではあるのですが。


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