Hawker Hurricane Mk.IIb ソヴィエト赤軍空軍




<実機について>

 まぁ本国はさておいて、ハリケーンの最大のお得意様といえばソヴィエト赤軍。レンドリースで押しつけられ…もとい、頂いた約2,000機という運用実績を持っています。戦後、レンドリースの代金を求められたスターリンが、

今更何言うてん。ちゅうか、そもそもおどれらが欠陥兵器ばっか寄越しよったせいで、ウチのええ若いモンが仰山あの世行きになったんじゃ。ゼニなんぞ払えるかい!

と逆ギレしたのは有名な話ですが、大方、その時閣下の脳裏にはフィンランドのビア樽に翻弄される赤い星のハリケーンの姿でもあったのでしょう。実機の写真を見ても雪原に鼻先突っ込んでる写真とかやたら多いし…。

 作例の機体は609戦闘機連隊のニコライ・ベリツキー中尉の乗機とされる機体。中尉の2つ名“ウィーンの狼”にちなんだ垂直安定板の白狼が凛々しゅうございます。しかし、42年4月に武運つたなくフィンランド空軍のブルーステル(一説には対空砲火)に胴体着陸を余儀なくされ、機体のほうは別の機体と二個イチされてフィンランド空軍唯一のMk.IIであるHC-465として働かされる羽目になります。操縦者のほうは捕虜になったとか、捕虜になるのを嫌って自決したとか、これまた諸説あり…。


<製作&塗粧>

   前回作ってみて気に入ったレベルのMk.IIbをまたも製作。前回同様、手を入れたのは機銃口の開け直しくらいなものです。

 塗装はRAF標準の上面オーシャングレー+ダークグリーン、下面ミディアムシーグレー。いずれもGSIクレオスの特色そのままです。デカールのインストによると下面にはライトブルーでもとの国籍標識を塗りつぶした跡があるようなんですが、写真で見ても上面や胴体側面にそのような跡がないのに、主翼下面だけというのも変な気がしてやっていません。

 今回のハイライトは微妙な機体のそれなりの出来(←褒め言葉)の簡易キットで知られるAML社製の“Hawker Hurricanes in Russian service Pt 2”なるデカール。この機体、デカールセットによっては6箇所に国籍標識があることになっていますが、このデカールセットでは主翼上面には国籍標識無しとの指示。お馴染み“modeler's datafile 2 The HAWKER HURRICANE”にも「この機体には主翼上面の国籍標識はなかったよ(←意訳)」と名指しでが書かれているのでそちらに従ってみたわけなんですが、胴体側面の賑やかさと比べると少し寂しいかも。尾翼の狼は色んな書物やデカールセットでは白となっていますが、このデカールでは銀色に輝いており、角度によっては恰好良いことこの上なし。惜しむらくはもともとの絵が狼としては微妙なことで、某会に持っていった際は、

なんでイヌの絵が描いてあんの?

とか、

何言うてん。この尻尾はどう見てもウマやろ。

とかえらい言われようだったのでした。


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