North American P-51C ドミニカ共和国空軍機




<実機について>

 これまた先発組のドミニカ共和国空軍。最初の取得は1948年で、P-51A、P-51C、P-51Dを取り混ぜて6機を購入。幾らなんでもエンジンの違うA型まで混ぜるのは、ドミニカがよほど戦闘機を欲しがっていたのか、はたまた

アメリカ人があこぎなのか

微妙なところです。

 それでも使ってみたら気に入ったのか、1952年にはスウェーデンからお古を44機購入。トルヒーヨ大統領*1)がアメリカと不仲になって後継機が入ってこなくなった*2)とかいう事情も手伝ってP-47と共にドミニカ空軍の屋台骨を支えます。1965年4月のドミニカ内戦にも参戦して対空砲火により2機を喪失。ものの本には"This marked the last combat use for the Mustang"とかなってるんですが、サッカー・ウォーはどうなるんだ?

 そんなこんなでドミニカ共和国空軍は60機ものP-51を運用し、世界で最後のマスタング運用国となります。1984年に退役した最後の8機はアメリカの個人オーナーに

一機30万ドルで売り捌いた

とか。なんだ、ドミニカ人も結構いい商売してるじゃん。

*1)Rafael Trujillo (〜1961)。1931年に独裁体制を確立してドミニカ共和国の混乱を収拾します。まぁ一方でそれなりに私腹を肥やしたり一族を登用したりしていたようで、それが祟ってか1961年に暗殺されると共和国は再び混乱の坩堝と化すのでした。やれやれ。
*2)イギリスから購入予定だったホーカー・ハンターも差し止めになってしまいました。う〜ん、徹底してるというか、大人気ないというか…。


North American P-51C Mustang
寸法諸元11.29×9.84×3.71m(W×L×H) 全備重量4,585kg
主機パッカードV-1650-3“マーリン”(1,620HP) 最大速度703km/h(7,620m)
初飛行1942.11(B型) 最大航続距離3,700km
武装Browning Cal.50 (12.7mm) M2機銃×4


<製 作>

 国内で手軽に手に入るB/C型となるとハセガワ/アカデミーの二択になるわけですが、今回はアカデミーのキット。機首形状、脚納庫などはタミヤ準拠ですから私的にはハセガワよりお勧めです。装備品も増槽2種類に500lb爆弾にロケットチューブまで付いてお買い得ですし。難を言えば臓物が略されているために機首の滑油冷却機からラジエータ吸気口からラジエータ排気口まで何から何まで素通しで見えてしまうこと。ラジエータ排気口を開放するならメッシュかなんか貼らねば恰好がつきますまい。私は排気口を閉じるんで、中央に一枚遮蔽板を入れただけ。とりあえづ光が見えてしまう事態はこれでも防げます。

 塗装はこれも一面GSIクレオスの8番。アンチグレアの色がわからなかったので趣味でオリーブドラブ(12)にしています。スピナーだけアルクラッドのポリッシュトアルミで光らせようとしたんですが、あんまり効果がなくてしょんぼり。

 マーキングはウルグアイ機と同様、メキシコAztec社のデカールを使用。繰り返しになるので詳細は省きますが、

ええ仕事してはりますわ。ほんと。

 ただ、国籍標識は巷で見る写真では赤と青が対角になっているのでちょっと気になるところ。検索してみると作例のように外円が青、内円が赤になっている“絵”もあったり、白黒写真でそんな風に見えるものもあったりするので、確信はないですが、

ま、そんな時期もあったんやろ。

ということでそのまんま。例によってフィンフラッシュのみ塗装。何を隠そう、青は5番、赤は3番をそのままの安直塗装であります。


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