Hawker Hurricane Mk.IIb/trop 日本陸軍飛行64戦隊




<実機について>

 昭和16年の開戦以来暫くの間、連勝街道を突っ走った日本陸軍は多くのハリケーンも捕獲したわけですが、その評価は実際の空中戦にしても鹵獲しての評価にしてもあんまりぱっとしないものでした。しかし、捨てる神あれば拾う神ありが世の常。飛行64戦隊と言えば、戦中主としてビルマ方面に展開し加藤隼戦闘隊として名を馳せた部隊ですが、この加藤戦隊長が捕獲されたハリケーンに目をつけました。戦闘機としての性能にほれ込んだわけではなく、敵地を奇襲するのに使えるかもしんないっつーことなんですが。

 そんなわけで早速数機のハリケーンが日の丸をつけて64戦隊に参加。結局、準備中に投入予定の機材が事故を起こしたりしたこともあって、作戦は実施されたのやらされてないのやらうやむやになってしまいますが、ともあれ64戦隊に配備されたハリケーンの1機は、垂直安定板に戦隊マークを書き込まれ、加藤戦隊長の連絡機として使用されたそうです。一応、戦地を飛ぶんだから隼に乗ったほうが良いのでは…。(←余計なお世話)

この機体の存在については以前から知っていたのですが、詳細がわからなかったので“こばちゃんの飛行機模型趣味的ページ”の掲示板で質問してみたところ、はほ/~さんからモデルアート別冊の「隼の塗装とマーキング」に写真が掲載されているとの情報を頂きました。しかし、肝心の「隼の塗装とマーキング」が見つからないうちに、光人社の「日本軍鹵獲機秘録」で恐らく同じと思われる写真と塗装図とを見ることができ、それをもとに製作することができました。


<製作&塗粧>

 例によってハセガワ1/72のMk.IIbを使用。コクピットのシートベルトと後部胴体羽布張り部との境界の修正、外翼機銃の金属化を行っています。

 塗色は基本的にオリジナルとは言え、当然のことながらマーキングなんかは塗り消している筈です。“日本軍鹵獲機秘録”の塗装図では何事もなかったかのようにマーキングが消えていますが、見ると外征部隊標識のところで迷彩パターンが連続していません。ということで勝手に外征部隊標識より前の後部胴体は下面を除いて全面レタッチってことにして土色(以前96陸攻用に適当に混色したもの)と中島系濃緑色(129)で塗り分けてみました。結果…

すんげぇ恰好悪い

です。また尾翼の戦隊マークが恰好悪いこと。隼と違って垂直安定板の前縁が直線でないので、矢印の形が直線にならないんです。(前縁を塗り残せば良い気もするんですが、写真を見ても前縁まで塗り潰しているようです。

 というわけで、

ハリケーンファンからも飛行64戦隊ファンからも石を投げられそうな

一作になってしまいました。

覚えておけ。戦いに敗れるとはこういうことだ。

というどこぞの髭のおっさんの声が聞こえてくるようです。


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